STILL OCTAGON PLATE

額縁をイメージしてデザインしたレリーフがくっきりと浮かび上がる精緻な形が特徴の八角形プレート。フリーハンドの揺らぎを生かした線やカーブが、かっちりとなり過ぎない柔らかな印象を与えます。寸法だけ見るとわりと大きく感じますが、料理をのせる部分の深さが浅いため、実物は薄くて小ぶりな印象です。ちょっと少なめに盛り付けると、額縁らしさが際立って、より華やかな印象になります。

通常は仕上げには使わない下絵付け⽤の絵の具を器全体に掛け流すことで、他にはない質感と色味を作り出しています。藍墨茶（あいすみちゃ）は、絵の具のムラや素地についた削り跡が、まるで水彩画のような揺らぎを生み出します。青と墨色を調色しており、光や明るさによって、落ち着いた濃いグレーにも明るいブルーグレーにも見えます。マットな質感も相まって、何を盛りつけても様になり、料理のテリやツヤ、フレッシュさを引き立てます。

瀬⼾のかしわ窯との共作で、ほぼ全ての工程が職人による手作業で作られています。裏印を押す、色をかけ流したのち絵の具を拭き取るといった作業は、一つひとつが完全な手作業で行われています。そのため、裏印は歪みや滲みなどが見られ、縁には必ず色を掛け流す際につく指跡や絵の具の飛沫跡があります。

焼き締めることで釉薬を掛けなくても水が染み込むのを防ぐ「焼締」という古来よりの製法で作られています。釉薬を掛けていないため、油は染み込み、使用後には跡が残ります。ナイフやフォークによる跡もつきますが、使い込む程にアンティーク食器のような魅力が増していく変化もお楽しみください。